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シイタケ栽培(上面栽培(株)北研:栽培技術特許))

シイタケ栽培は、菌床(きんしょう)ブロックを製造することから始まります。
菌床ブロックを製造するとき、まず重要なポイントは菌床に使用する原材料の品質です。
  
▲主な原材料は、広葉樹オガ粉、フスマ(小麦の皮)、コメヌカなどです。
これらの原料がなんらかの要因によって腐敗していたり、異物が混入していたりすると、
将来これらを分解吸収するキノコの菌糸に悪影響を及ぼし、結果として大きくておいしい
シイタケは生えてきません。


▲素材の品質を保ちつつ、専用のミキサーを使用し、それらを素早く混合します。
混合している間もブロックの性能を低下させる、攪拌ムラ、発熱などのマイナス要因に
気を配りながら処理を行います。

 この時に、注意をしなければいけないことは菌床ブロックの水分率を一定に調整する
と言うこと。水分のバラツキは、培地の粘度をばらつかせること、以後の殺菌工程に
おいて熱の伝導を均一にすること、それから何より、将来、大きなシイタケを発生
させる意味で重要になってきます。

 
▲専用の成型機を使用し、ブロック状にします。

 
▲袋の上部にプラスチック製のキャップを装着します。
シイタケの菌床栽培では、このキャップを装着するキャップ方式とキャップ無しで
上部を熱によって溶着する溶着方式の2種類があります。

 今現在は、溶着方式が主流になっておりますが、あなどってはいけないのが
このキャップ方式。上手に装着してすることによってキノコの収穫量に差が出ます。
当社の栽培試験では、溶着方式と比較して、キャップ方式の方が20%〜50%
収量がアップした例もあります。

 ただ、装着するのに熟練が必要なので、みなさん作業が容易で生産ラインを自動化
しやすい点などから溶着方式を選択されるケースが多いみたいです。


▲ブロック状に成型され、キャップを装着し終わった菌床は、蒸気殺菌されます。
 当社で考案された高野式高圧殺菌釜です。
 蒸気殺菌のポイントは2点です。
まず、シイタケの菌に有害な菌類(糸状菌類、バクテリア類)を熱によって死滅させること。
菌床ブロックに添加した養分などを熱によって分解してやることです。
どちらも重要な要因ではありますが、当社では、養分の熱分解を優先的に考え
殺菌操作をおこなっております。
 イメージ的には、菌床ブロックを蒸気で「蒸しあげる」感じ。
シイタケが将来、分解吸収する養分を損なわないように注意をはらっております。

 

▲殺菌工程が完了し、冷却された菌床ブロックに「シイタケの菌」を植えます。
接種作業と言います。
シイタケの菌は種菌(しゅきん)と呼ばれています。
この工程は、接種作業と呼ばれ、クリーンルームで行われます。
 この時の菌床は、いうなればシイタケにとって”おいしく炊き上がった御飯”状態。
でも、それはキノコ以外の菌類にとっても同じこと。
他の菌を混入させないように慎重かつスピーディーに行います。
当社で唯一、薬品を使用する箇所です。
といっても器具や手を消毒するのに使用するエチルアルコールです。飲み
過ぎないかぎり人体には無害ですし、菌床に混入することはありません。

菌床に接種された種菌が、上の写真に写っています。
黒く見える部分が、菌床ブロックで黄色く見えている部分が「種菌」です。

 
▲熟成の開始です。
培養(ばいよう)と呼ばれています。
シイタケの菌糸の培養は、菌糸が培地を覆い尽くす期間を一次培養
菌糸が養分を吸収し成熟していく段階を二次培養と呼んでいます。
培養工程の解釈の仕方は、様々ですがおおむねこれが培養期間の
考え方です。
一次培養は、菌床ブロックに菌糸が蔓延してゆく段階です。
菌糸は、将来、養分を吸収するテリトリーを広げて行きます。この時の
温度条件や湿度条件、空気の循環などが、菌床内で健全な菌糸を蔓延
させるための重要な要素になります。
また、一次蔓延日数の長短が、二次培養の成熟期間や発生に移行するタイミ
ングに影響を及ぼしているという考え方もあります。

 
▲シイタケ菌床の培養期間(熟成期間)は、栽培のスタイルや品種によって
も異なりますが、約3ヶ月〜5ヶ月です。
当社では、約5ヶ月培養期間を設定しております。

上の写真。 シイタケ菌床は一次培養が完了する頃になると菌床の上の
部分が茶色く変色してきます。
この現象を「渇変(かっぺん)、渇変化」とよんでおります。

▲また、菌糸塊(きんしかい)と呼ばれる凹凸が表面に現れ始めます。
これらは、シイタケ菌糸が菌床表面に外界に対して皮膜を形成している
現象であると考えられています。
この渇変化や菌糸塊の状態によって、菌床のコンディションを予測すること
や菌床ブロックの製造段階での不具合を読み取ることができます。


▲二次培養(熟成培養)で渇変が完了した様子。
 写真のように二次培養では菌床の向きを横にして培養を行っています。
シイタケ菌糸の生育を阻害する最重要因子は、炭酸ガス濃度の上昇です。
シイタケ菌糸が菌床内の養分を分解吸収してゆく過程で、袋をかぶっている
菌床の中は、炭酸ガスの濃度が上昇してゆきます。
そのままにしておくとシイタケ菌糸の活動が停止してしまうほど環境が悪化して
しまいます。

 この障害を回避するために炭酸ガスが溜まりやすい菌床の底部を写真の様に
横にすることによって、菌床上部に装着されたキャップ部から炭酸ガスを外へ
放出してやるという考えです。
 また、この時期は菌床内に”分解水”と呼ばれる茶色の水が溜まります。
これは、炭酸ガス濃度の上昇と深い関係があるのですが、シイタケ菌糸が養分
を分解吸収する作用”加水分解”によるものです。
つまり、菌床ブロック内の養分をシイタケ菌糸が加水分解することによって。
シイタケ菌糸は養分を得て、炭酸ガスと水ができると言うわけです。
そういえば昔、”理科”で習った。
この分解水の多少も、菌床の熟成度合いを測る目安となっております。


▲やっと、きのこの発生時期を向かえました。
 ブロックの製造から約5ヶ月です。
 でも、ここでいそいではダメなのです。菌床の袋の中は、外界から遮断された言わば
無菌状態の世界。 その状態からいきなり袋を取ってしまうと、そのショックで
一時的にシイタケがたくさん発生して、その後、菌床が痛んでしまい最悪の場合
回復不可能になります。
それを回避するために、菌床の状態を外の環境にすこしずつ慣らしていくことが重要!

 
▲発生の開始です(^^)。
いままで大切に育ててきた菌床からは大きくて美味しそうなシイタケがたくさん
発生します。
発生の期間は約4ヶ月。
たくさん発生して少し休んで、また発生。約7回〜8回発生のピークがあります。
1つのブロックから1500〜2000gくらい出ます。

以上、菌床ブロックの製造からシイタケが発生するまでを紹介しました。

 


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